界面活性剤を詳しく知りたい!分類と特徴をまとめてみました

界面活性剤を詳しく知りたい!分類と特徴をまとめてみました

界面活性剤とは?の記事にも書きましたが、界面活性剤は大きく分けると、自然界に存在する【天然界面活性剤】と人工的に作られた【合成界面活性剤】に2つに分けられます。

ここからさらに、元になる原料やイオン性で細かく種類が分類されます。

ここでは、分類によってどのような特徴があるか細かく説明できればと思っています。界面活性剤の事をもう少し細かく知りたい方はぜひ参考に読んでいただけたら嬉しいです!

界面活性剤分類(原料分類)

界面活性剤はたくさんの種類があり、それぞれ系統があるのですが、まずは一番わかりやすく、何から作られたという原料で分類したものを説明していきます。

 

分類原料分類成分例科学的分類
界面活性剤天然物レシチン・サポニン・ガゼイン天然界面活性剤
石鹸系

脂肪酸ナトリウム

脂肪酸カリウム

脂肪酸エステル系ショ糖脂肪酸エステル
グリセリン脂肪酸エステル
合成界面活性剤
ベタイン系コカミドプロピルベタイン
ココアンホ酢酸Na
アミノ酸系ココイルグルタミン酸Na
ラウロイルメチルアラニンNa
高級アルコール系
石油系
ラウレス硫酸Na
ラウリル硫酸Na

1.「天然系」界面活性剤の種類と特徴

私たちの身の回りにも天然の界面活性剤があります。

例えば、卵黄に含まれる「卵黄レシチン」の働きにより、マヨネーズは油と卵黄などの材料が均等に混ざっています。

このように天然物質として自然界の中に存在する界面活性剤が「天然由来、天然系」と呼ばれています。

レシチン

先ほど例でもご紹介した最も代表的は天然界面活性剤です。

卵黄に含まれていて、マヨネーズの乳化を目的に使用されています。

最近のオーガニック化粧品の中にはレシチンで乳化したものも見かけます。

サポニン

ヘチマに多く含まれていて、シャボン玉のシャボン(sapõ;ラテン語)と語源は同じであることから明らかなように、水と混ぜて振ると泡立つ性質(起泡性)があります。

その他にも美容によいので興味のある方は是非ヘチマ水の記事も読んでみてください。

【美人水】と呼ばれるヘチマ水の効果は?

2019年4月24日

ガゼイン

牛乳などの乳製品に含まれています。
牛乳が分離せず、牛乳のままであり続ける効果になります。
なぜなら乳脂が水分の中で均等に分散している状態を維持するのを助ける性質があるので、油分と水分を上手く混ぜるという意味では乳化作用があるのです。
厳密にいうと微粒子を均等に分散させている状態なので分散作用とも言えます。

実際の乳化作用自体は弱いもので、界面活性剤としては使用され
ず分散された状態を長期間維持するための、乳化安定剤として使用されていることがほとんどです。
  
加工飲料や乳製品、化粧品では乳液に使われていますが、その乳化力の弱さのために、化粧品としては使用範囲が限られてしまいます。

2.「石けん系」界面活性剤の種類と特徴

石鹸は、動植物のあぶら(油脂、脂肪酸)を、アルカリで反応させた界面活性剤の一種です。

天然の油脂に苛性ソーダを反応させて石けんとグリセリンを得る方法(けん化法)と、油脂から脂肪酸をとり、苛性ソーダで中和して作る方法(中和法)があります。

見分け方

「脂肪酸ナトリウム」や「脂肪酸カリウム」という成分表示のあるものが、「石けん」と呼ばれるものです。

脂肪酸ナトリウム(ソーダ石鹸)

油脂(脂肪酸)を水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)で反応させたモノ。

固形石鹸や粉石鹸になる。

脂肪酸カリウム(カリ石鹸)

油脂(脂肪酸)を水酸化カリウム(苛性カリ)で反応させたモノ。

液体石鹸になる。

こんな人は注意!

乾燥肌やアトピーなどの皮脂の分泌が少ない方などは、皮脂を取り過ぎてしまうことや、お肌を弱酸性に戻すために時間が掛かってしまうので、アルカリ性である石鹸の使用は避けた方がよいでしょう。

3.「脂肪酸エステル系」界面活性剤の種類と特徴

石けんで使われる脂肪酸(動植物のあぶらなど)とグリセリン(石けんの副生物)を反応させて作るもの、脂肪酸とショ糖を反応させて作るものなどがあります。

石けんと縁が深いものですが、非イオン界面活性剤です。

化粧品や食品によく使われます。

 

グリセリン脂肪酸エステル(グリセリンエステル)

 

油脂から得られる脂肪酸であるステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸およびラウリン酸の混合物とグリセリンを反応させて製造される物質です。

乳化剤としての使用のほかに、起泡剤、豆腐用消泡剤、デンプンの品質改良剤など、様々な用途で使用されています。

化粧品としては、肌を、なめらかにし、乾燥などから保護する働きもあります。

 

食品での使用例・・・(マーガリン、乳製品、乳飲料、菓子類などに広く使用されています。)

 

ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖エステル)

 

シュガーエステルとも呼ばれる非イオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)の一種。

油脂から得られる脂肪酸と砂糖を反応させて製造されます。用いられる脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、酢酸、イソ酪酸などの低級脂肪酸があります。親水性と親油性のバランスの幅が他の乳化剤に比べて広いという特徴があるのと、さらに安全性が高く評価されている為、食品添加物,医薬品添加物としても古くから知られています。

化粧品市場にも有用な側面をもち,乳化剤の他に、粘度調整やデンプンの老化防止、食感の改良などの目的で使用されています。

 

食品での使用例・・・(ホイップクリーム、ケーキ、清涼飲料水、カレールーなど)

4.「ベタイン系」界面活性剤の種類と特徴

ベタイン系界面活性剤は、砂糖大根由来の成分です。

以下のような特徴があります。

・洗浄力が穏やか
・刺激は少なくお肌に優しい
・保湿力がある
・生分解性が高い

植物由来の界面活性剤で、肌への刺激も少なく、≪ベタイン≫はシャンプーの洗浄成分としてだけではなく、化粧品の分野では保湿効果を期待した保湿剤としても良く使用されています。
さらに生分解性(微生物に分解される性質のこと)が 高いです。

・コカミドプロピルベタイン

ヤシ油脂肪酸とベタインを結合させてつくられる両性界面活性剤です。
洗浄力は高めなのに両性界面活性剤の中でも刺激が大変少ないため、大人用のみならずベビー用シャンプーにも多く使用されている洗浄剤です。さらに柔軟性があり、洗浄効果とリンス効果を併せ持っているので、リンスインシャンプーのようなトリートメント効果の高い洗浄製品にも配合されます。

液体の粘性を調整してキメ細かい泡がつくれるので、泡立ちは粘り気があり大変良く洗浄がしやく洗浄時の感触がよくなります。

刺激性が少ないので、眼や皮膚に入ってしまっても安全性が高い成分だと言われています。

 

・ココアンホ酢酸Na

カチオン基とアニオン基の両方を分子の中にもっている起泡力が高い両性界面活性剤です。
界面活性剤の中には硬水で使うと極端に泡立ちが悪くなってしまうものもありますが、硬水の地域で使用したとしても泡立ちや洗浄力が良い界面活性成分です。
刺激も少なく、眼や皮膚に入ってしまっても安全性が高い成分なので、赤ちゃん用のシャンプーや、お肌が弱い方向けの低刺激性シャンプーとしても多く使用されていて、さらに柔軟性や保湿力もあるのでリンスやトリートメント、化粧品などの製品にも使用されます。

5.「アミノ酸系」界面活性剤の種類と特徴

アミノ酸と脂肪酸(天然油脂)からなる界面活性剤です。

特徴

・洗浄力が穏やか
・刺激は少なくお肌に優しい
・過剰に皮脂と落とし過ぎない
・アミノ酸が髪へ浸透し、ある程度髪を修復する効果もある
・生分解性が高い

 

最近ではシャンプーもボディーソープなどの成分はアミノ酸系の洗浄成分が主流になっています。

 

敏感肌・アトピーの人や、シャンプーでいうと抜け毛・フケ・痒みのある方などにも効果的です。

 

ベタイン系も生分解性が高いですが、アミノ酸系も脂肪酸とアミノ酸の化合物ですから、分解されると生体内に存在する物質になります。

その結果アミノ酸系界面活性剤は、石鹸並の生分解性があるとされます。

*アミノ酸系界面活性剤についての詳しい記事はこちら

・ココイルグルタミン酸Na

これは最近の植物由来のシャンプーといわれて売っているものに多くみられる代表的なアミノ酸系洗浄成分です。

グルタミン酸とヤシ油脂肪酸から構成されたアミノ酸系アニオン(陰イオン)界面活性剤。

アニオン界面活性剤は、洗浄系の界面活性剤で、主に洗剤、石けん、シャンプー、洗顔料などに使用されます。

ココイルグルタミン酸Naは毒性が非常に低く、アニオン界面活性剤の中でも洗浄力が高いが、肌のバリア成分を残しながら余分な皮脂や汚れを洗い流します。

 

洗浄力に優れており、低刺激のため敏感肌用シャンプーや赤ちゃん用シャンプーなどをはじめ、洗顔クリーム、石けんなど多くの製品で使用されています。

・ラウロイルメチルアラニンNa

高級脂肪酸のラウリン酸と天然アミノ酸であるアラニンをメチル化したメチルアラニンで構成されるアミノ酸系アニオン(陰イオン)界面活性剤です。

弱酸性で適度な洗浄力と脱脂力があり、起泡力や透明性も良い。

 

他のアミノ酸系界面活性剤にない特徴として、高い耐硬水性があるので、硬水でもキメ細かい泡を得ることができることや、弱酸性において両性界面活性剤との組み合わせると、優れた増粘効果を得ることができることです。

5.「高級アルコール系・石油系」界面活性剤の種類と特徴

主に石油由来の高級アルコールを原料とした界面活性剤です。

*高級アルコール系界面活性剤は主に石油からできていますが、厳密にいうとヤシ油などの油脂からも作ることができる為分類しずらくなり、細かく解説するとややこしく難しくなる為、ここでは石油系とイコールにします。

 

そして【高級】とあるが高級品なわけではありません。

*石油系・高級アルコール系の詳しい記事はこちら

界面活性剤の中では刺激が強く、洗浄力が強い為に台所用洗剤や洗濯用洗剤に使われています。シャンプーにも使われる成分ですが、最近はアミノ酸系界面活性剤が多く見られるようになりました。

特徴

・泡立ちが良い
・洗浄力が非常に強い
・刺激が強い
・頭皮の痒み、乾燥の原因になるおそれがある
・製造コストが安い
・台所用洗剤にも使われている

・ラウリル硫酸Na

ラウリルアルコールの硫酸エステルのナトリウム塩で、昔から使用されていた代表的なアニオン界面活性剤(陰イオン界面活性剤)です。

洗浄力が高すぎるため、皮脂を過剰にとってしまったりと刺激が強すぎるので、今では使われることはかなり少なくなりました。

・ラウレス硫酸Na

ラウリルアルコールのポリエチレングリコールエーテルと硫酸エステルのナトリウム塩で、アニオン(陰イオン)界面活性剤です。

ラウリル硫酸Naと一緒に例に出されたり、比較されることが多いです。

どちらもとても強い洗浄力をもつ洗浄剤ですが、特に最初に開発されたラウリル硫酸Naは刺激が強すぎるため、分子量を大きくして皮膚への浸透を抑え、皮膚刺激を緩和させたものがラウレス硫酸Naです。

分子量が小さいラウリル硫酸の方が頭皮に残ってしまいやすく、すすいでもなかなか洗い流せないのです。

すすぎが甘く洗浄成分が残ったままになってしまうと、ずっと髪や頭皮にダメージを与え続けることになってしまいます。

6.界面活性剤分類(イオン性分類)

界面活性剤は、水に溶かしたときに電離してイオン(電荷をもつ原子又は原子団)となるイオン性界面活性剤が3種類と、イオンにならない非イオン(ノニオン)界面活性剤が1種類に大きく分類されます。

イオン性による分類で、界面活性剤の大きな特徴が決まると考えて欲しいです。

・イオン性界面活性剤

アニオン(陰イオン)界面活性剤

カチオン(陽イオン)界面活性剤

両性界面活性剤

・ノニオン(非イオン)界面活性剤

種類特徴主な用途
アニオン(陰イオン)界面活性剤マイナスの電子を持っている。
泡立ちがいい
汚れが良く落ちる
乳化、分散作用に優れている
温度の影響を受けにくい
洗濯用洗剤
シャンプー
ボディーソープ
カチオン(陽イオン)界面活性剤プラスの電子を持っている
静電気の防止
指通りの改善
髪を柔らかくする
殺菌効果
トリートメント
柔軟剤
両性界面活性剤両方の電荷を持っている
皮膚に対してマイルド
水への溶解性に優れる
他の活性剤と相乗効果あり
シャンプーやボディーソープの補助剤

ノニオン(非イオン)界面活性剤

電荷を持っていない
親水性と疎水性のバランスを容易に調整できる
乳化・可溶化力に優れる
泡立ちが少ない
温度の影響を受けやすい

化粧品などの乳化剤
食品などの増粘剤や乳化剤

7.アニオン(陰イオン)界面活性剤の特徴

マイナスの電荷を持った界面活性剤
水に溶けたときに、疎水基のついている部分がマイナス(負)イオンに電離する界面活性剤で、プラスに帯電している汚れを吸着して浮かせることができます。

石けんをはじめ古くから多くの種類が開発されてきており、現在でも合成洗剤やシャンプーなど、洗浄剤として使われています。その使用量は全界面活性剤の約1/3を占めているといわれています。

8.カチオン(陽イオン)界面活性剤の特徴

・プラスの電荷を持った界面活性剤
水に溶けたとき、親水基の部分が陽イオンに電離する界面活性剤です。

石けんと逆のイオンになっているため、「逆性石けん」と呼ばれることもあります。
例えば、濡れた髪の毛はマイナス(負)に帯電しているので、プラスの電子をもっているカチオン界面活性剤は髪に強く吸着し、柔軟性、帯電防止性、殺菌性などの性質があるため、トリートメントやリンスなどに利用されています。

9.両性界面活性剤の特徴

・プラスとマイナスの両方の電荷を持っています。
水に溶けたとき、アルカリ性領域では陰イオン界面活性剤の性質を、酸性領域では陽イオン界面活性剤の性質を示す界面活性剤です。

簡単にいうと、液性によって、陽イオンにも、陰イオンにもなる界面活性剤という事です。
そして、中性域では、非イオン(ノニオン)系界面活性剤のような性質を帯びます。
他の界面活性剤の洗浄性や起泡性を高める補助剤として広く使われる事が多くいです。
例えばアミノ酸系のシャンプーなどの中には、肌に優しいけれども泡立ちが悪かったりする物もあるので、その補助剤として使用されることもあります。

10.ノニオン(非イオン)界面活性剤の特徴

・電荷を持たない界面活性剤です。
水に溶けたとき、イオン化しない親水基を持っている界面活性剤で、水の硬度や電解質の影響を受けにくく、他の全ての界面活性剤と併用できます。このように使いやすい性質をもっているために、近年では非イオン系界面活性剤の使用量が非常に増えてきています。
低刺激で安全性が高いものも多く、食品などの増粘剤や乳化剤として使われる事も多いです。
イオン化しないことで、水の硬度や電解質の影響を受けづらく、この性質により他の界面活性剤との併用の自由度が増し、タンパク質変成作用も弱いということで、化粧品や洗剤などに多く取り入れられています。
非イオン系界面活性剤はその構造により、エステル型、エーテル型、エステル・エーテル型及びその他に分類されます。
型によって使用用途が変わってきます。

エステル型 (非イオン界面活性剤)の特徴

グリセリン、ソルビトール、ショ糖などの多価アルコールと脂肪酸がエステル結合した構造を持っています。非イオン界面活性剤の中ではもっとも古い歴史を持っていてます。
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルは食品添加物として認可されており、食品の乳化剤や化粧品分野で広く利用されています。洗浄剤として利用されることはほとんどありません。

エーテル型 (非イオン界面活性剤)の特徴

高級アルコールやアルキルフェノールなど、水酸基をもつ原料に、主として酸化エチレン(エチレンオキシド)を付加重合して作られます。

非イオン系界面活性剤の代表的なものです。洗浄剤など各種用途に使用されています。

エステル・エーテル型 (非イオン界面活性剤)の特徴

脂肪酸や多価アルコール脂肪酸エステルに酸化エチレンを付加したもので、分子中にエステル結合とエーテル結合の両方を持っています。主として乳化剤や分散剤として使用されます。

「エーテル型」と「エステル・エーテル型」はともに酸化エチレンを付加したタイプなので、「エトキシレート型」とか「ポリエチレングリコール型」と呼ばれることもあります。

その他(非イオン界面活性剤)の特徴

親油基と親水基がアミド結合で結合した脂肪酸アルカノールアミドは、安定な泡を作るので、洗剤などの泡安定剤として使用されています。

また、糖類(ブドウ糖等)を原料とするアルキルポリグルコシドは、皮膚刺激性が弱く、洗浄力や起泡力に優れた界面活性剤として、近年、台所用洗剤やシャンプーに多く使われるようになってきています。

11.まとめ

掘り下げると色々な種類に分類され、界面活性剤というと【洗浄する】といったイメージの他にも、乳化・増粘・分散・抗菌etc…など、様々な性質を持ったものが多くあります。
私たちの生活において、なくてならない物でありますが、中には刺激が強く、人によっては合わない物もあるかもしれないので気を付けなければいけません。

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